2015/03/30 合わなくなった義歯への取り組み2 義歯安定剤編 奥山義和
こんにちは。陽気も春らしくなって気候は過ごしやすくなってまいりましたが、花粉症の私には辛い季節がやってまいりました。

今回は、義歯安定剤いわゆる入れ歯安定剤についてお話させて頂こうかと思います。
入れ歯をお使いの方から、入れ歯安定剤についてご質問を頂戴することも多いです。
入れ歯安定剤には、大まかにわけて2種類に分類されます。
一つはクッションタイプ、もう一つは粘着タイプです。
クッションタイプには、クッションコレクト(塩野義製薬、図1)、ポリデントクッション(gsk、図2)、タフグリップクッション(小林製薬、図3)などがあります。

クッションタイプは、入れ歯と歯茎との隙間を埋めて、入れ歯を外れにくくします。
入れ歯と歯茎に大きな隙間があるときに効果を発揮しますが、クッションタイプの入れ歯安定剤は一度使うと入れ歯から外しにくく、入れ歯が不衛生になりやすく、また、誤使用により部分的に顎の骨が急速になくなってしまうこともあります。

粘着タイプにはクリームタイプやパウダータイプやテープタイプなどがあります。
粘着タイプにおきましては入れ歯と歯茎に大きな隙間があるときにはあまり効果が得らませんが、隙間が小さいときに効果が得られます。

1 . 粘着タイプのクリームタイプには新ポリグリップ(gsk、図④)、コレクトXYLクリーム(塩野義製薬、図⑤)、ポリデントNEO(gsk、図⑥)などがあります。
クリームタイプは均一に入れ歯へ塗り広げ易いので使いやすいですが、口の中についたものは取り除きにくいです。

2. パウダータイプには新ファストン(ライオン、図⑦)、ポリグリップパウダー(gsk、図⑧)などがあります。
パウダータイプは均一に粉を義歯に振りかけないといけないので、多少の熟練を要しますが、口の中からは除去はしやすくなっています。

3. テープタイプには、タッチコレクトⅡ(塩野義製薬、図⑨)シーボンド(エーザイ、図⑩)などがあります。
テープタイプはチューイングガム状で水をかけて使います。携帯に便利ですが、厚みが不均一になりやすいです。

日本補綴歯科学会では、義歯安定剤(入れ歯安定剤)は入れ歯が合いにくい顎の形態や口腔乾燥などの義歯使用に不利な口腔状態の高齢者では、有効であると推奨されますが、ただし使用法により何かしらの害が起こることが多くの報告で指摘されており、短期間の使用が薦められています。それ故、歯科医師の管理下での短期間の使用が望ましいと考えられます。

入れ歯安定剤など、他にも気になられることがあれば、ご相談ください。