こんにちは、アップル歯科クリニックの田中です。だいぶ暑くなってきましたが、皆様いかがお過ごしですか?
今回は、患者様自身によるお口のケアと診療室でのお口のケアとが確実に機能していくために、予防歯科の1つであるフッ素についてご紹介したいと思います。
まずは、フッ素のはたらきについてご説明します。
フッ化物のう蝕予防効果
1.脱灰の抑制・再石灰化の促進
2.歯質の強化
・ハイドロキシアパタイトの結晶構造の安定化
・フルオロアパタイトの形成
3.細菌の抑制
・抗酵素作用による酸産生の阻害
・菌体内への糖の取り込みの阻害
・抗菌作用(発育の抑制)
フッ化物の応用法
1.洗口法・・・・抑制率30~50%
ミラノール
2.塗布法・・・・抑制率20~30%
ゲル状のフッ素を綿球や歯ブラシにしみこませ塗布していく。
3.フッ素入り歯磨き粉・・・・抑制率20~30%
続いて具体的なフッ化物を使ったケア方法にはホームケアとプロフェッショナルケアがあります。
ホームケア(患者様が家庭で行うお口のケア)
● 食後のブラッシング
・歯垢の除去
・食片の除去
・フッ化物の塗布
● 朝食後、就寝前のフッ化物洗口
フッ化物の使用は低濃度のものを毎日長時間継続して使用することがもっとも効果的です。
実際の方法としては、
①歯磨剤をつけずに丁寧に歯垢を除去して十分にうがいをします。
②歯ブラシに歯磨剤をたっぷりつけて歯面になすりつけるようにします。
③おちょこ1杯程度の少量の水を含んで20~30秒間しっかりとリンスし、水を吐き出して終了。
これを最低でも朝食後と就寝前の1日2回、実施してもらいます。
● 適切な食生活を心がける。
● ドクターによる定期的なプロフェッショナルケアを受ける。
プロフェッショナルケア(診療室でのお口のケア)
● 口腔内の診査、検査とリスク診断
● PTC(プロフェッショナル・トゥース・クリーニングの略で、歯科医師や歯科衛生士が、歯ブラシ、デンタルフロスなどで、歯のクリーニングを行うこと。)
● PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で、歯科医師や歯科衛生士が器具を使い、歯のクリーニングを行うこと。)
● SRP(スケーリング・ルートプレーニングの略で、スケーラーやキュレットと呼ばれる器具を使用して歯垢や歯石を除去する歯周病の初期治療。)
● ハイリスク部位のチェック
● フッ化物塗布
● 歯科医師による治療(必要に応じて)
このようにして、健康な口腔を維持していくことが予防歯科にとってもっとも大切なことの1つだと私は考えています。