2015/02/23 第57回福岡県西地区歯科医学会 増田 里美
 2015年2月15日(日曜)第57回福岡県西地区歯科医学会が歯科医師会館(中央区大名)で開催された。当院からは歯科医師,スタッフ54名が参加した。当院理事長案西浩平先生は実行委員長のため開会の辞を述べ始まった。①健康寿命延伸のため義歯治療②CADCAM・CT・マイクロスコープ等の医療機器を利用した先進治療がテーマとなった。
 12のセッション19の演題で展開されたが、そのうち「オーバーデンチャー最新の治療戦略」について案西先生が講演した。内容は下記のとおり。
 「下顎無歯顎症例の第一選択はインプラントを2本埋入したオーバーデンチャーとすべき」というMcGill Consensus(2002)によりインプラントオーバーデンチャーは全世界に普及し、York Consensus(2009)が評価、後押しをした。さらに、我が国の高齢化とリンクし、健康寿命延伸の策として近年脚光を浴びることとなった。清掃性が良いこと、口腔内の変化への対応がスムーズにいき易いことが特筆すべき点である。
 インプラントオーバーデンチャーでは、閉口機能印象によりスリムで動きの少ない義歯を製作し、セトリング後アタッチメントの装着を行うよう推奨された。
 アタッチメントについてボール,ロケーター,マグネット,ドルダーバーを応用した8症例が供覧され、適応症,利点欠点が述べられた。特に2011年販売開始となったロケーターでは維持力調節が可能なこと,補綴スペースに余裕ができたこと(最低5mm),平行性が40度まで可能なことで今後の普及に期待大である。
 最後に、アタッチメントの維持力低下,義歯床の適合不良や破折について、メインテナンスの重要性を述べられた。